改葬許可は、新しい供養先の市ではなく、今のお墓がある市町村に申請します。
申請書と、今のお墓の管理者が書く埋蔵証明があれば、多くの市で手数料は無料か数百円です。
この記事では、法律の条文の順番どおりに、何を・誰が・どこへ出すのかを整理します。
途中でつまずきやすい「お寺が埋蔵証明を書いてくれない」ときの国の見解と、2026年1月に施行された改正行政書士法で変わったことも書きます。
この記事でわかること
- 改葬許可が必要なとき・要らないとき
- 申請書に書くこと、添える書類(条文の順に)
- 申請から許可証を受け取るまでの流れと日数
- 埋蔵証明を断られたときに使える代わりの書類
- 2026年から「業者に申請書を書いてもらう」ことができなくなった理由
改葬許可は、どんなときに必要ですか?
お墓や納骨堂に納めたご遺骨を、別のお墓や納骨堂に移すときに必要です。これを法律では「改葬」と呼びます(墓地、埋葬等に関する法律 第2条第3項)。
許可なしに改葬することはできません(同法 第5条第1項)。
許可を出すのは、ご遺骨が今ある場所の市町村長です(同法 第5条第2項)。つまり、周南市のお墓からご遺骨を出すなら周南市、下松市のお墓なら下松市に申請します。新しい供養先がどこの市でも関係ありません。
墓じまいで、ご遺骨を樹木葬あじさい霊園(周南市)に移す場合も、今のお墓がある市に申請します。
あじさい霊園側では、受け入れることを証明する書類(受入証明書)を発行します。
散骨や手元供養にするときも、許可は要りますか?
法律上、ご遺骨を散骨や自宅での保管に移すことは「他の墳墓や納骨堂に移す」ことに当たらないため、改葬許可は不要とされています(厚生労働省の見解。総務省東北管区行政評価局の資料に記載)。
ただし、市によっては「改葬許可証に準じた書類がないと墓地の管理者がご遺骨を出せない」という運用もあります。
散骨を選ぶ場合も、今のお墓がある市の窓口に一度確かめるのが確実です。しおんでは、どの市でどう扱われたかを順次地域ページに書いていきます。
申請書には、何を書きますか?
亡くなった方の本籍・住所・氏名・性別、死亡年月日、埋葬か火葬の場所と年月日、改葬の理由、改葬先、申請者の住所・氏名・続柄です(施行規則 第2条第1項)。
一人のご遺骨につき1枚が原則です。ご遺骨が複数あるときは、市の様式に別紙が用意されていることが多く、周南市も「2体以上は別紙」の様式です。
古いお墓では、亡くなった年月日が分からないご先祖がいます。その場合は「不詳」と書けるか、戸籍で調べるかを窓口で相談します。
申請者がお墓の使用者(名義人)と違うときは、使用者との関係も書きます。
たとえば名義が亡くなったお父様のままで、お子さんが申請するときは、この欄が要ります。名義の変更を先に済ませるか、承諾書で進めるかは市によって扱いが違うので、窓口で確かめてください。
添える書類は、何ですか?
法律が定めているのは2つです。今のお墓の管理者が書く「埋蔵の事実を証明する書面」と、申請者が使用者でないときの「使用者の承諾書」です(施行規則 第2条第2項第1号・第2号)。
1つ目の埋蔵証明は、お寺の墓地ならご住職、市営墓地なら市、民営霊園なら管理事務所、自治会の共同墓地なら管理する自治会が書きます。
周南市の様式では、申請書の中に証明欄があり、そこに管理者が記名押印する形です。
2つ目の承諾書は、使用者が別にいるときだけ要ります。
このほか市町村長が「特に必要と認める書類」を求めることができます(同項第3号)。受入証明書はここに入ります。法律で必ず要るわけではありませんが、多くの市が求めるので、用意しておくと一度で済みます。周南市は、管理者が分からないお墓や個人墓地の場合、死亡が確認できる戸籍の写しを求めています。
申請から許可証まで、どう進みますか?
書類がそろっていれば、窓口に出した日に許可証が出る市もあれば、1〜2週間かかる市もあります。郵送なら往復の日数を足してください。
流れは、①新しい供養先を決めて受入証明書をもらう、②今のお墓の管理者に埋蔵証明を書いてもらう、③申請書を書く、④今のお墓がある市に出す、⑤改葬許可証を受け取る、の順です。
周南市は手数料が無料で、郵送での申請と許可証の郵送交付に対応しています(周南市「改葬許可に伴う申請について」)。県外にお住まいの方は、来ずに進められます。
許可証は、新しい供養先に納骨するときに必要です(同法 第14条)。
あじさい霊園に納骨する場合も、許可証をお預かりしてから納骨します。許可証がないと納骨はできません。無くさないよう、コピーを1枚取っておいてください。
各市の窓口・手数料・郵送の可否・様式のリンクは、市ごとに違います。周南市・下松市・光市の地域ページで、公式ページと確認日つきでまとめています。
お寺が埋蔵証明を書いてくれないときは、どうなりますか?
断られても、改葬をあきらめる必要はありません。法律には「これにより難い特別の事情がある場合は、市町村長が認めるこれに準ずる書面でよい」という定めがあります(施行規則 第2条第2項第1号のかっこ書き)。
この「準ずる書面」に何が当たるかは、長く曖昧でした。
2026年1月23日、厚生労働省は市町村向けのQ&Aを出し、代わりの書類の例として「お墓の写真」や「埋蔵証明書を出せない経緯を書いた申述書」を示しました(総務省東北管区行政評価局の資料に概要あり)。
それより前にも、実例があります。
総務省東北管区行政評価局が2026年1月30日に公表した資料には、お寺が「改葬を認めていないのに行政が許可するのは運営妨害だ」と証明を拒んだ事案で、市が墓地の契約書と使用許可証、墓誌の刻字の写真、除籍謄本を代わりの書類として許可した例が載っています(令和2年度)。
同じ資料は、調べた9市町村のうち7市町村が、この代替書面の仕組みを把握していなかったとも書いています。
窓口で「証明がないと受けられない」と言われたら、「施行規則第2条第2項第1号のかっこ書きと、厚労省の2026年1月23日のQ&Aを確認してほしい」と伝えてください。それでも進まないときは、県の担当課に相談する道があります。
もっとも、いきなり代わりの書類で進めるのは最後の手段です。
まずはお寺に、感謝から入って事情を伝えるのが先です。伝え方はお寺への伝え方と離檀料の考え方にまとめました。
2026年から、業者に申請書を書いてもらえなくなったのは本当ですか?
本当です。2026年1月1日に施行された改正行政書士法で、行政書士でない者が「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」官公署に出す書類を作ることが、条文上はっきり禁止されました(行政書士法 第19条第1項)。
もともと行政書士法は、報酬を得て他人の官公署提出書類を作ることを行政書士の独占業務としていました。
ところが「手続きは無料でお手伝い」「一式料金に含む」という形で、石材店や墓じまい業者が申請書を書く例があり、名目を変えれば許されるかのような誤解がありました。改正は、この誤解を正すためのものです(総務省 総行行第281号、2025年6月13日)。
違反すると、書いた人だけでなく会社にも100万円以下の罰金が科されます(同法 第23条の3)。
総務省は各自治体に、窓口で行政書士でない者の関与を防ぐ取り組みを依頼しています。
では、しおんは手続きで何をしてくれるのですか?
申請書の作成はご本人、またはご希望があれば提携の行政書士が行います。しおんは、様式の案内と取り寄せ、記入例のご説明、必要書類の確認、窓口や郵送先のご案内をします。
受入証明書は、あじさい霊園へ移す場合は当社が発行します。閉眼供養の日程調整、撤去工事、ご遺骨の取り出しと運搬、納骨も当社が行います。
見積書に載せるのは工事と供養の費用だけです。手続きの費用を見積に含めることも、無料をうたうこともしません。行政書士に依頼する場合の報酬は、行政書士から直接ご案内があります。
「全部やってくれる」と書いてある業者より、「ここまでは自分、ここからは行政書士、工事と供養は業者」と線を引いて説明する業者のほうが、2026年以降は安心です。
まとめ
- 改葬許可は、今のお墓がある市町村に申請する。新しい供養先の市ではない
- 法律で必要な添付は、管理者の埋蔵証明と、使用者が別のときの承諾書。受入証明書は市が求める書類
- 周南市は手数料無料・郵送可。許可証は納骨のときに必要なので無くさない
- お寺に埋蔵証明を断られても、写真や申述書などの代わりの書類で許可された例がある(厚労省 2026年1月23日 Q&A)
- 2026年1月から、業者が報酬を得て申請書を書くことは法律違反。申請書はご本人か行政書士が書く
手続きの順番が分からないときは、お電話で順に確認します。0120-976-864(しおん・株式会社原田屋)。
各市の窓口情報は地域ページへ。
