墓じまいで最初に決めるのは、工事の業者ではなく、ご遺骨の行き先です。
行き先が決まらないと、改葬許可の申請もお寺への説明もできません。
出口は大きく4つ。合祀(永代供養墓)、樹木葬、海洋散骨、手元供養です。
この記事では、承継の要否、管理料、宗旨宗派、そして「後から取り出せるか」の4つの軸で比べます。しおんが運営する樹木葬あじさい霊園と周南海洋散骨センターは税込の実額で、それ以外は一般論として書きます。
この記事でわかること
- 全国で墓じまいの後に選ばれている行き先の割合
- 4つの出口の違い(承継・管理料・宗派・取り出し)
- 合祀とあじさい霊園の、取り出しに関する決定的な違い
- 複数のご遺骨をまとめる費用(樹木葬・海洋散骨)
- ご遺骨ごとに行き先を分けてよいこと
墓じまいの後、みんなはどこへ移していますか?
合祀・合葬が43.2%、樹木葬が24.1%、一般のお墓が14.3%、納骨堂が13.3%です(鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査」2026年、n=733)。
承継者(お墓を継ぐ人)が要らない形が、合わせて約8割です。
墓じまいの理由が「遠方」と「継ぐ人がいない」である以上、次のお墓も「継がなくてよい」形になるのは自然な流れです。石材店への調査でも、ご遺骨の行き先は他所の永代供養施設が28%、今の墓地に付属する永代供養施設が27%で、永代供養が上位でした(全国石製品協同組合 2023年度)。
4つの出口は、何が違いますか?
違いは、お参りの場所が残るか、後から取り出せるか、費用の払い方、そして宗旨宗派の条件です。順に説明します。
合祀(永代供養墓)は、どんな形ですか?
他のご家族のご遺骨と一緒に、一つの納骨室や土に納める形です。お寺や霊園が代わって供養を続けるため、承継者は要らず、費用は一体あたり数万円からと、4つの中でいちばん抑えられます。
ただし、いったん合祀すると、ご遺骨を後から取り出すことはできません。物理的に他の方のご遺骨と混ざるからです。
お寺の永代供養墓では、そのお寺の宗派での供養になることが多く、檀家になることを条件とする場合もあります。市営の合葬墓がある市では、宗派を問わず安価に受け入れますが、周南市にはまだありません。
しおんには合祀の施設がないため、ご希望の方には提携先をご紹介します。
樹木葬は、どんな形ですか?
墓石の代わりに樹木や草花をシンボルにしたお墓です。一口に樹木葬といっても、合祀型、個別の区画に埋葬する型、一定期間後に合祀へ移す型があり、「取り出せるか」はここで決まります。
しおんが販売する樹木葬あじさい霊園(周南市下上2215-1、宗教法人岩屋寺の境内。経営主体は岩屋寺、販売は株式会社原田屋)は、ご遺骨を粉骨し、ご家族ごとの区画に直接土に埋葬します。他のご家族のご遺骨と混ざる合祀はしません。期限が来て合祀に移すこともありません。
区画にはお名前を刻んだ石板を置くので、お参りする場所が残ります。宗旨・宗派は問わず、檀家になる必要もありません。納骨式は岩屋寺のご住職に真言宗の作法でお勤めいただきますが、改宗という意味ではありません。
費用は1霊で総合計319,000円(税込)。区画使用料253,000円、永代管理料33,000円、白御影石の石板彫刻33,000円を含みます。年間の護持費はかかりません。
※2025年11月開設の第2区画の価格です。納骨式のお布施は別途です。
海洋散骨は、どんな形ですか?
粉骨したご遺骨を、海に還す形です。お墓そのものを持たないので、管理料も承継者も要りません。
周南海洋散骨センター(株式会社原田屋)は、周南沖の瀬戸内海で、自社の船で散骨を行っています。
スタッフがお預かりして散骨する代行散骨は1柱66,000円(税込)から。ご家族が乗船する貸切クルーズは165,000円(税込)から、3名まで乗れます。船にお手洗いはありませんので乗船前にお済ませいただきます。座席は23席、お子さま用のライフジャケットもあります。
海に還したご遺骨は、当然ながら取り出せません。一部を手元に残しておく方が多いのは、そのためです。
法律上、散骨へ移すことに改葬許可は不要とされていますが(厚生労働省の見解)、お墓からご遺骨を出す際に書類を求める管理者もあります。手順は改葬許可の流れをご覧ください。
手元供養は、どんな形ですか?
粉骨したご遺骨の全部または一部を、小さな骨壺やペンダントに納めて自宅に置く形です。費用は容器の代金だけで、管理料はありません。
自宅に置くことは法律で禁じられていません。
ただし、ご自身が亡くなった後に、そのご遺骨をどうするかを決めておく必要があります。手元供養は「出口」というより「一時の置き場」と考え、最終的な行き先(樹木葬や散骨)を合わせて決めておくのが安心です。
合祀とあじさい霊園は、取り出しの点で何が違うのですか?
合祀は、他の方のご遺骨と混ざるため、取り出せません。あじさい霊園は、ご家族ごとの区画に粉骨して土に直接埋葬するため、土と混ざった状態でのお戻しになりますが、取り出すことはできます。
「取り出せる」と「取り出せない」の間には、大きな差があります。
たとえば、将来お子さんが「やはり自分の近くに移したい」と思ったとき。あるいは親族から「分骨して故郷に」と頼まれたとき。合祀ではどうにもなりませんが、あじさい霊園なら、土と混ざった状態であることをご理解いただければ、お戻しできます。
誤解のないように書きます。粉骨して土に直接埋葬する方式ですから、骨壺のまま取り出すことはできません。
お戻しするのは、土と混ざったご遺骨です。それでも「区画がご家族だけのもの」であることが、合祀との違いです。
複数のご遺骨があるとき、費用はどうなりますか?
古いお墓を開けると、3体、5体、ときには8体以上のご遺骨が出てくることがあります。あじさい霊園では、1つの区画にまとめて納められ、料金は「何霊目にあたるか」で決まります。
1霊で総合計319,000円。2霊目と3霊目はそれぞれ110,000円が加わり、2霊で429,000円、3霊で539,000円です。4霊目は55,000円が加わり、4霊で594,000円。5霊目から8霊目も1霊ごとに55,000円が加わり、8霊で814,000円です(いずれも税込)。
契約のときにまとめて納めても、後から追加しても、金額の決まり方は同じです。お受けできるのは8霊までです。
海洋散骨では、代行散骨の場合、2柱目から1柱につき33,000円(税込)が加わります。2柱で99,000円、3柱で132,000円、4柱で165,000円です。複数のご遺骨も1回の手続きでまとめて承ります。
貸切クルーズは2柱目から1柱66,000円が加わります。
ペットのご遺骨も、ご家族と一緒にあじさい霊園へ納められます。ご家族と一緒の納骨なら納骨料はいただきませんが、粉骨料として1体11,000円(税込)が別途かかります。
ご遺骨ごとに、行き先を分けてもいいのですか?
構いません。むしろ、分けたほうが家族の気持ちが収まることがあります。
よくあるのは、こんな組み合わせです。顔を知らない代のご先祖はまとめて樹木葬へ。直接お世話になった親御さんは同じ区画に名前を刻んで。海が好きだったお父様は海洋散骨で。お母様の一部だけは手元供養に。
しおんは樹木葬と海洋散骨の両方を自社で行っているので、「このご遺骨は霊園へ、こちらは海へ」という振り分けを、一度の打ち合わせで決められます。どちらかに誘導することはしません。
どの順番で決めればいいですか?
①お参りする場所を残したいか、②後から取り出せる余地を残したいか、③管理料をゼロにしたいか、④宗派の条件を受け入れられるか。この順で考えると、だいたい絞れます。
場所を残したく、取り出しの余地も残したいなら、あじさい霊園のような個別区画の樹木葬です。
場所も管理も残さず、自然に還したいなら海洋散骨。費用を最優先にし、取り出せなくてよいなら合祀。手放せない気持ちがあるなら、一部を手元供養に。
どれか1つに全部を合わせる必要はありません。4つの中から、ご遺骨ごとに選んでください。
承継の要否・管理料・宗派・取り出しの可否を一覧にした納骨先の選び方も用意しています。
まとめ
- 墓じまい後の行き先は、合祀43.2%・樹木葬24.1%・納骨堂13.3%で、承継者不要の形が約8割
- 合祀は後から取り出せない。あじさい霊園は粉骨して土に直接埋葬するため、土と混ざった状態でなら取り出せる
- あじさい霊園は1霊319,000円(税込)。2・3霊目は各+110,000円、4〜8霊目は1霊ごとに+55,000円。お受けできるのは8霊まで。年間護持費0円
- 海洋散骨は代行66,000円(税込)から、2柱目以降は1柱+33,000円。複数柱を1回で
- ご遺骨ごとに行き先を分けてよい。しおんは樹木葬と散骨を自社で行うため、一度の打ち合わせで振り分けられる
ご遺骨の数が分からない段階でも構いません。お墓の写真とご家族の状況から、一緒に考えます。0120-976-864(しおん・株式会社原田屋)。
